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インド学を学ぶ院生(だった人)が日々の出来事を書く日記です。ちなみに、インドに行ったことはありません。
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『ニュークリア・エイジ』は凄まじい作品です。

ティム・オブライエンと村上春樹氏のタッグは

もうお見事としか言いようがありません。

1960年代

戦争と核の恐怖が世界を覆った時代。

若者が力によって世界を動かせると信じた時代。

平和しか知らない我々は

「爆弾は実在する」の言葉を嘲笑できるでしょうか。

カフェテリアの入り口でプラカードをぶら下げた青年を

「あほだ」と一蹴できるでしょうか。







もしあの時代に生まれていたら

私は「大学開放」と叫んでいただろうかと考えます。

恐らく、違ったでしょう。

レールを踏み外すこともできず

何も変わらないんだと諦めて

エリート紛いに甘んじたことでしょう。

でも本当は

何かをぶち壊したくて仕方なくて

密かに羨むのだと思います。

いや今だって

それは同じです。

いい子でしかいられないのです。

それが現実です。








何を叫んだって

何一つ変わらないのに。

それでも主張したい「自己」って

一体どれほどのものですか。

世の中は陳腐な「個性」で溢れていて

誰もが「私は違う」と信じたがっているような気がします。

もしかしたら本当は

何も変わらないという安心感があるからこそ

自己を主張できるのかも知れません。

もし自分の言動で世の中を変えてしまえるなら

自己主張ほど危険なことはないのですから。

こんなことを考える私も

そのリスクを負う度胸の無い

そしてそれを負う権利を与えられない人間の一人に過ぎないことは

言うまでもありません。







「爆弾は実在する」

本当は

爆弾は我々の中にあるのでしょう。

いつの時代にも爆発の契機を与えられていて

しかしそれを殆ど誰もが見過ごしている

連鎖によって世界をも覆してしまえるような

きわめて微小な爆弾が。

主人公はそれを爆発させることができたと言えるのでしょうか。

そもそも爆発させることはそれほど意味を持っているのでしょうか。







わかっているのはただ

主人公は「正常な」人間だということです。

本当のことは

きっと誰にも分かりませんが。







レポート締切日に回収ボックス爆破とか。

すぐ横に仮ボックスが置かれますね。

即座に(;゜∀゜)

妄想はやめて素直に書きます。

あーあ。
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無題
>もしかしたら本当は

>何も変わらないという安心感があるからこそ

>自己を主張できるのかも知れません。

>もし自分の言動で世の中を変えてしまえるなら

>自己主張ほど危険なことはないのですから。


本当にその通りだと思います。
それでも私たちは自己主張を繰り返すのでしょう。
カルマ 2006 . 12 . 07(Thu)03:15:34 編集
無題
<カルマさん
きっとそうでしょうね。
この安心感に浸っている事実に気付いて
自己矛盾に悶える人がどれほどいるかはわかりませんが。
社会から名前を与えられる前に
自己を精一杯主張するしか我々若者にはできないのでしょうね。
それが若者に与えられた殆ど唯一の特権ですから。

utata 2006 . 12 . 07(Thu)07:38:57 編集
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